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March 07, 2024

中村元『原始仏典』

HMVネット購入。2023年12月14日注文。


書名:原始仏典
著者:中村元
出版:ちくま学芸文庫(2011年3月第1刷)


《目次》


はしがき


≪Ⅰ 釈尊の生涯≫


序章 原始仏典へのいとぐち


1 原始仏教の成立
/原始仏教成立の時代背景/都市の成立/新しい思想家たちの輩出/ゴータマ・ブッダの出現/ダルマ(法)/実践の原理/慈悲の精神/


2 経典の成り立ち
/釈尊の生涯/経典の成立/


3 原始仏教の聖典
/阿含経と原始仏教/原始仏教聖典/


4 仏教経典の現代性
/西洋の伝統と東洋の伝統/仏教間の変遷/近年の仏教観/原始仏教の時代と現代/


5 現代語訳の意義
/仏典の言語/民衆のことば/
{少し話が脱線するかもしれませんが、禅の語録についても同じことがいえます。禅の語録というのは民衆のことばです。いわば妙な漢文なのです。孔子さま、孟子さまの古典的な漢文ではないわけです。つまり反逆をしたのです。反逆をして民衆のことばで話す。昔からの学問伝統などに頼らないというのです。一つには、禅宗は唐末五代の乱でお経は全部焼けてしまい、お寺はこわされ、お坊さんもだんだん学問がなくなったという、そういう歴史的事情はあるかと思いますが、学問的伝統にとらわれないという立場があったのです。だから民衆のことばで書いた。そこで禅宗の精神をいまの日本語になおすということになると、そういう伝承にとらわれないで書くべきで、そうでなければ禅の心髄は生かされてきません。禅の言語は、つまりその当時のヒッピー用語です。ですからそれぞれの国の民衆のことばで訳したらいいわけなのです。・・・}
/現代語訳の意味/


6 原始仏典の時代史的意義
/因習を超えて/苦行/内心の清らかさ/インドのみそぎ、沐浴/形而上学的論議への批判/毒矢のたとえ/人生は苦である/「中道」を尊ぶ立場/全部を見きわめる仏教の立場/


第一章 誕生と求道—『スッタニパータ』(1)


1 『スッタニパータ』について


2 誕生
/神々の喜び/仙人のことば/聖者の境地/


3 出家
/修行者としての道/ビンビサーラ王との出会い/ビンビサーラ王との会話/


4 降魔
/悪魔の誘惑/黒き魔の攻撃軍/悪魔の敗北宣言/


第二章 悪魔の誘惑—『サンユッタ・ニカーヤ』(1)


1 蛇の誘惑
/『サンユッタ・ニカーヤ』について/蛇の誘惑/理想的な修行者/


2 娘たちの誘惑
/愛執・不快・快楽/釈尊の境地/


3 梵天の懇請
/釈尊の省察/梵天の懇請/子のかたちをした悪鬼/


第三章 最後の旅—『大パリニッバーナ経』


1 旅立ちまで
/『大パリニッバーナ経』について/国王の命令/鷲の峰/釈尊の答え/ヴァッジ人の繁栄/七つの教え/


2 最後の旅路
/釈尊の最後の旅/ナーランダー/パータリプトラ/
{・・・ナーランダーに仏教寺院が造られたのは非常に早く、五世紀ごろには存在しており、やがて学問、研究の中心として栄えるのです。玄奘三蔵などもそこに長くとどまったということです。そしてその時代には、アジア諸国から一万人以上の留学生がいたということです。これが五世紀あたりから始まって、七世紀、八世紀と栄えたわけで・・・}
{・・・このナーランダーで研究された仏教哲学は中国を経て、法相(ほっそう)宗として京都の清水寺、奈良の薬師寺、興福寺、法隆寺などに伝えられました。
インドで生まれ、インドではぐくまれた仏教はこうして世界中に広がっていきました。しかしインドでは次第にヒンドゥー世界に近づき吸収されてゆき、十二世紀のイスラム信仰によって、その姿を消していったのです。・・・}
/ガンジス河を渡る/ヴェーサリー/商業都市と共和制/遊女アンバパーリー/旅に病む/自己にたよれ/自己の追求/この世の美しさ/死別の告知/パーヴァー/人間釈尊/


3 臨終
/クシナーラー/アーナンダの号泣/一生の回顧/最後のことば/


第四章 仏弟子の告白・尼僧の告白—『テーラガーター』『テーリーガーター』


1 仏弟子の告白/
『テーラガーター』の成立と内容/スニータ長老の告白/サーリプッタの覚悟/


2 尼僧の告白
/キサー・ゴータミー尼の告白/チャンダー尼の告白/アッダカーシー尼の告白/遊女アンバパーリーの告白/イシダーシー尼の告白/


≪Ⅱ 人生の指針≫


【第一部 人生の指針】


第一章 ブッダのことば—『スッタニパータ』(2)


1 真理について
/思想の混乱/部分的真理性/生きる道の追究/非我を我と見る/死を超える道/


2 慈悲について
/慈しみの経/足るを知る/慈悲の精神/すべてのものの幸せ/


3 解脱について
/究極の境地/学生ヘーマガの質問/学生トーデイヤの質問/学生ピンギヤの質問/


4 幸福について
/こよなき幸せ/諸々の教え/


第二章 真理のことば—『ダンマパダ』


1 『ダンマパダ』の成立とその意義
/真理のことば/異本について/


2 『ダンマパダ』のことば
/最初のことば/つとめ励むこと/心について/花にちなんで/愚かな者/真理を喜ぶ人/とらわれない境地/数にちなんで/悪について/老いについて/自らを尊ぶ立場/めざめた人/さまざまな教え/人生の真実相—「無常」と「苦」/主体性の確立/


第三章 生きる心がまえ—『サンユッタ・ニカーヤ』(2)


1 生きる心がまえ
/もの惜しみ/施与の功徳/無一物の境地/


2 他とのかかわり
/他人の立場で/他人との関係/よいことば/


3 無我の心境
/非我説/禅定/


第四章 人間関係—『シンガーラへの教え』


1 個別的な人間関係
/『シンガーラへの教え』とその内容/六つの方角の礼拝/父母と子の関係/師と弟子の関係/夫と妻の関係/友人・朋輩との関係/主人と奴僕・傭人の関係/修行者・バラモンとの関係/


2 まもるべき教え
/十四の罪悪からの解脱/四つの行為の汚れ/悪い行いをしない四つのしかた/財を散ずる六つの門戸/酒を飲むなかれ/四種の敵/親友/蓄財/四つの愛護/


第五章 ジャータカ物語


1「ジャータカ」の成立とその意義
/「ジャータカ」の成立/具体をもって教化するジャータカ/


2 ジャータカ物語
/シビ王本生譚/さまざまな物語/真理を寓する/


【第二部 後世における発展】


第六章 アショーカ王のことば—『岩石詔勅』


1 アショーカ王の時代と岩石詔勅
/マウリヤ王朝の統一/アショーカ王と詔勅文/詔勅文の解読/


2 アショーカ王のことば
/理想を説く/アショーカ王の悔恨/法による勝利/遍きものへの慈悲/すべての宗教の承認/現代における意義/


第七章 ギリシア思想との対決—『ミリンダ王の問い』


1 『ミリンダ王の問い』の成立とその意義
/ミリンダ王登場の背景/ミリンダ王と仏教/『ミリンダ王の問い』の成立/


2 ナーガセーナとの対話
/霊魂観/名前の問い/車のたとえ/実体の否定/仏教における「無我」/対話の成立する基盤/究極の理想の境地/解脱/念仏/


解説 文献をして真実を語らしめよ(宮元啓一)

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