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March 26, 2024

石井寛治『資本主義日本の地域構造』

HMVネット購入。2022年6月7日注文。

書名:資本主義日本の地域構造
著者:石井寛治
出版:東京大学出版会(2018年2月初版)

《目次》

序章 近代日本の地域経済構造の考察

【第I部 地域史と全体史をつなぐ】

第一章 産業革命論――民衆生活の視点から

1 研究史の現状
/研究の進展/研究の総括/産業革命と市民革命/産業革命と自己認識/

2 一国史と地方史
/民衆生活の究明/近代地方史研究の課題/地帯構造論/資本・賃労働の地域性/消費生活の地域性/

3 国家財政と民衆
/研究史の現状/国家財政と政商=財閥/国家権力と民衆/

4 欧米・アジアとの関連
/民衆生活と世界市場/商品輸出入/資本輸出入/労働力移動/

おわりに

第二章 地域経済の変化――資本制部門の分散から集中へ

1 対象と方法

2 産業資本確立期の地域経済

3 戦時経済体制下の地域経済

4 総括

第三章 国内市場の形成と展開――商品流通の視点から

1 課題と方法
/1.研究史の現状/2.究明すべき課題/

2 国内市場の諸段階
/1.段階規定の基準/2.商品流通と輸送手段/3.地域経済の変化/

3 商品流通の概況
//1.米穀/2.醤油/3.砂糖/4.肥料/5.石炭/6.鉄鋼/7.小括/

第四章 織物集散地と織物問屋のランキング

1 織物集散地の実態

2 織物問屋のランキング

第五章 商業会議所の性格と会員資格の格差

1 商業会議所メンバーは商人だけなのか

2 各地商業会議所は、どの階層のブルジョアジーを代表していたのか

第六章 中央銀行の制度と機能――フランスとの対比

1 日本銀行の制度的特徴

2 日本銀行の店舗政策

3 日本銀行の商業金融と産業金融
/綿糸紡績業/生糸製紙業/鉄道・海運業/

4 横浜正金銀行への低利融資

おわりに

第七章 昭和恐慌における階層別打撃

1 問題の所在

2 個人株主と法人株主の比重の推移

3 階層別に見た打撃の深度(1)—個人所得税統計から

4 階層別に見た打撃の深度(2)—金満家大番付から

結語

【第II部 地域史から見た全体史】

第八章 明治経済史再考――多摩「シルクロード」の人々

1 多摩地域は攘夷思想の温床と言えるのか

2 多摩の「シルクロード」とは何だったのか

3 外資に頼った萩原器械製糸場の発展と挫折

4 外資排除路線を突き破った玉製紙業—結びに代えて

第九章 日本近代史上の上方経済―その役割の再評価

はじめに

1 近代日本の地域経済の変遷

2 近世の上方経済から近代の綿工業センターへ

{・・・1868年当時の両替商の記録や書状を読むと、連続倒産が起こったのは五月でなく一月であり、そのきっかけは京都から大坂に進駐した官軍兵士が幕府や会津藩などの資金を預かっていた両替商のところに押しかけて、それらの預かり金を戦利品として分捕ったためであることが判明しました。1月12日付けの三井大坂両替店の書状によれば、約1万5000両の幕府公金を薩摩藩兵士に差し出し、領収書を求めたところ拒否されたそうです。三井の場合は、資金の余裕があったために潰れませんでしたが、炭屋安兵衛らは資金ショートを起こして倒産しました。つまり、大坂両替商の倒産は、明治政府の近代化政策について行けなかった古い体質のためではなく、遅れた薩摩・長州からやってきた官軍が高度に発達した大阪の信用経済を暴力的に破壊したためだったのです。・・・}

3 「東洋のマンチェスター」としての「大大阪」

おわりに

第一〇章 再考・維新経済史――四国松山から

1 攘夷論と開国論の対立を超える道

2 「商人的対応」による投資資金の蓄積

{・・・ここで、「商人的対応」という耳慣れない用語について一言説明しておきます。これは、外国からの自由貿易の要求に誰がどう「対応」し、のちに近代的工業化のために投資したかについて、「対応」の主体が国家なのか民衆なのか、それともその中間の商人なのかを区別する際の用語です。・・・幕末の居留地貿易では、日本商人が国内での貿易品の流通を担当することによって、もっとも多くの利益を蓄積し、明治期の産業革命では、商人が工業化のための資金をもっとも多く提供しますが、それは、「商人的対応」が成功したことを意味します。・・・}

3 商人による産業投資と対外投資

4 愛媛県における近代的工業化—綿ネル業と製糸業

終章 結語と展望

あとがき

〔附録 昭和初期の大資産家名簿〕

図表一覧
索引

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