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February 24, 2024

貝原益軒『養生訓・和俗童子訓』

1980-81頃、名大生協で購入したもよう。

書名:養生訓・和俗童子訓
著者:貝原益軒
校訂:石川謙
出版:岩波文庫(1961年1月第1刷)

《目次》

凡例

【養生訓】

巻第一 総論 上

/天地・父母の一環としてのこの身。人身は貴くして天下四海にもかえがたし/養生の術を行なうことの効果/養生の術を早くより継続してつとめよ/内慾をおさえ外邪をふせぐ/内慾をつつしむ具体的条件/不養生はなしくずしの自殺行為/人の命は我にあり、天にあらず/外物によって養われる身ながら、外物によって侵されるな/養生の術の第一は心気を養うことである/耳目口体の慾を抑えよ/四つの外邪を防ぐ途は要慎/養生の要訣は畏の一字/養生を害するもの—過度と安逸/心は静かにし、身はいそがしくせよ/治療の術を頼むよりも、病にかからぬ要慎をせよ/薬・針・灸などを用いず、養生の途を守って、健康を保て/運動して健康を増進しておくこと/人生は百歳を以て上寿とする/真に人生を味うには長生が必要/内敵に克つには勇、外敵に勝つには畏/元気を保つ道二つ。元気を害するものを去る、元気を養う/人生の三楽—心に疚しいところがない、健康、長寿/天寿を全うせよ/四民ともに家業をよく勤めるが養生の術/養生の術は学ばなければ得られぬ/家業精励の中に養生がある/常時に養生するは一旦緩急の際に勇戦するためである/睡眠時間を短くせよ/言葉を少なくすることの効用についての医学的意味/小さい不養生から大病を引きおこす/命の長短は、養生すると、しないとによって決まる。富貴は求めて得られぬ場合がある。健康長命は求めれば得られる/血気流行して滞らぬようにするが養生の途/心に主たるものあるべし/忍ぶ、が養生の要諦/未病を治するの法/用心は臆病にせよ/寡慾が養生の原則/気を一所に滞らせてはならぬ/俗人・仙術家・陋儒の弊/

巻第二 総論 下

/朝の行事と食後の養生法/静かに労働せよ/怠らず労働するのが養生の途/「久しく」するな/臥して寝る時間と回数とを少なくせよ/昼寝と食後の臥寝とを避けよ/何物をも恃んではならぬ/小慾を貪りて大切な体を破るは愚/心を安らかにし身を労せしめよ/恣なれば短命、忍べば長命/予め防ぐことの必要/人慾をほしいままに楽しむな/元気を養うことを努めよ/慎しみは長寿の本/瞬間の快楽を求めるな/養生法の要項/飲食は身を養い、臥寝は気を養うものであるが、少きを可とする/道を楽しむ者は命長し/心を平らかにし、言を少くせよ/山中の人の命長き理由/貧賤に居て、貧賤を楽しむ/忍ぶは養生の要領/胃の気を養う/荘子のいわゆる庖丁が牛を解くの譬え/元気を害するもの/心を静かに保つ/つばきを吐くな/つばきは呑むべし、痰は吐くべし/病質・病勢に応じる治術を用いよ/善きことも悪しきことも習い性となる/わが力相応のことをせよ/若い時から勉めて元気を養え/気を費やすのみ吝嗇であれ/自ら欺くこと勿れ/放奔な欲望生活は自殺行為である/ことの十分を求めるな/養生の効果を真に知れば、養生せずには居られぬ/楽しみを失わざるは養生の本/畏・慎は長命の基/満ち足ることは憂いの始まり/瞬時を忍ばずして一生を誤る/中を守れ/言葉を少くせよ/元気を保つこととめぐらすこと/大風雨と雷とを畏れよ/客となって滞座するな/百病みな気より生ず/真気を丹田にあつめる/七情の統制と養生/養生の要訣としての十二少/養生四項/気を養うの法/養生法としての詠歌・舞踏/養生の四寡/摂生の七養/修養の五宜/久しく一つ状態を続けるは不可/養生の四要/四損/老人の痰/呼吸は人の生気/呼吸の仕方/ゆるやかに呼吸せよ/調息の法/心の養生と身の養生とは一体/夜ふかしを避けよ/居室を清潔にせよ/陰陽秉衡論/

巻第三 飲食 上

/元気は生命の本、飲食は生命の養い/病いは口より入る/聖人の飲食の法/暖かきものを飲食し冷飲・熱飲を避けよ/飯の種々な炊き方と健康度との関係/淡薄なる物を食べよ、肉は少量がよい/飲食とも控え目にせよ/飽食をさけよ/五味偏勝は不可/身を養うに益あるものを選べ/飯は多食するな。多食を避けるについての心がけ/口腹の慾にひかれて健康を失うな/深更に夜食してはならぬ/控えすごすと思うほどで丁度適量/飲食は節にすぐべからず/飲食は七・八分程度でやめよ/多食と消化剤とを用いて、腹中を戦場にしてはならぬ/食する時の五恩—益軒の創めた説/晩食はあっさりした物を軽くとる/腐敗した物を食わず、時季はずれの物を食わぬ/副食物は少量でよい/肉類は穀類より少量に用いよ/老人は特に飲食の量をつつしめ/交友の宴にも控え目に飲食せよ/持病に対する食衛生をかたく守れ/傷食の時は断食するも可/未消化の時は食事を一回ぬくがよい/煮足らざるも、煮すぎたるも消化しがたし/あえしお、当を得なければ食うな/中年以後、食量を減ぜよ/新鮮なものを食べよ/好きなものを少し食べよ/食うべきものの五標準/衰病の者への滋養物/衰病者に適する生魚の調理法/魚類・野菜の調理法/鮮魚は滋養が多い/脂の多い魚を食べてはならない/老人・病人は鮨を食うな/肉食は少な目にせよ/生魚の塩漬は食べてよい/味噌は可、たまり・醤油は泄・瀉の人には不可/野菜・菌類・海草の調理法/食い気のしないものを食べるな/飲食はこらえて少量に止めよ/脾胃の好む十一種目の物/脾胃の嫌う十三種目の物/暴飲・暴食すれば胃の気がへり短命に終る/湯・茶・羹を多く飲むな/酒食したのちの注意/食後には軽い運動をせよ/虚弱の人は餅・団子を遠慮せよ/薬酒を少しずつ呑むは可/肉・菓は少量摂取しただけで賞味しうる/濁った水、悪水のまじった水を飲むな/雨水・雪解けの水は飲んでよい/半沸の湯を飲むな/小食のよい理由/食後、にわかに患らいたる時の手当/前食の消化しない中に飲食してはならぬ/暖かなものを飲食せよ/冷飲・冷食を避けよ/食後に口をすすぐこと/他郷に出て飲食する時の心得/山中の人が長命で、海辺の人が短命な理由/朝早く温かい粥をたべる/香辛料の用い方/副食物を少な目にして飯を味え/臥にのぞんで食滞した場合の注意/点心は食わぬがよい/晩食は朝食より少量にすべし/食してよい物、悪い物/饗席では食量をつつしめ/食後に激しい運動をしてはならぬ/

巻第四 飲食 下

/倹約・養生の合致/朝夕一飣のみですませた実例/松蕈・筍は一緒にでなく、単独に煮るがよい/餅・団子の食べ方/朝食と晩食との関係/新鮮な品を用いよ/欝滞せる食品を使用するな/陰物を食うな/瓜をたべる時季/灸餅・あぶり肉の食べ方/茄子の食べ方/大根・人参・芋などを胃弱者に与える調理法/大根は野菜中の上々品/菜の調理法と食べる季節/果物の食べ方/病症の如何と禁宜の食物/豆腐の食べ方/前食・後食の関係/服薬中は味うすき物を食べよ/芋・くわい・人参など甘き菜の食べ方/薑(はじかみ)を食べてならぬ時季/豆腐・こんにゃくなど醤油で煮た物の、冷えたのは食うな/腹鳴りのする時、食べてならぬ物/酔の残る内に食べてならぬもの/鳥獣の肉の調理法/「こつとつこう」の食用価値/熟せざる果物を食うな/心に動揺ある時には食うな/前食と後食との関係…三度目/夜食の分量をさし控える工夫/湯茶をしばしば飲むな/日本は中華人より体気が弱い/空腹に生菓を食うな/疲労はなはだしき時には食を控えよ/多飲・多食は夭死の基/病人しいて欲する場合には、噛んで味わって吐き出させよ/多く食べてはならぬ物/老人・虚弱者の食ってならぬ品々/一般人の食ってならぬ品々/食養生/同食の禁忌/服薬中には食物の禁忌がある/園菜は十分に洗い清めて後、食用にせよ/

-飲酒

/飲酒の量によって、薬とも毒ともなる/多飲を戒しむ/酒は朝夕の飯後に飲むがよい/冷飲・熱飲を避けて、温酒を用いよ/温めなおした酒を飲むな/客に酒を強いてはならぬ/醇酒を少量に愛用せよ/長命は酒を飲まぬ人に多い/飲酒とともに摂取してはならぬもの/焼酒を呑む心得/

-飲茶 煙草附

/養生上から見た茶の効用と害/茶の人体に及ぼす作用/茶は少量に用いよ/茶にも薬にも水を選べ/茶を煎ずる法/奈良茶を食べる習俗/煙草は害が多い/

-慎色慾

/色慾を恣にすれば短命に終る/交接の回数と年齢との関係/若き時、特に情慾をつつしめ/二十歳以前は交接せぬがよい/房中補益説/情慾と腎気との関係/房事を忌む場所と時期/小便をしのんで房事をしてはならぬ/懐胎してのち交合してはならぬ/腎は五臓の本、脾は滋養の源/

巻第五 五官

/五官は心の家臣/居室は南向きがよい/東枕にして寝ること/正坐・安坐・牀几に腰をかける/居室も家具も質素にして、心の安静をはかるがよい/臥し寝る時の姿勢/寝る姿勢と衛生/灯を消し、口を閉じて寝よ/寝る前に体の各所を按摩すること/導引の効用/導引の具体的な仕方/脛・足の甲・足の指の導引法/導引・按摩を、してはならぬ場合/髪は度々くしけずり、歯はしばしば叩くがよい/夙夜におきて、足の指を、さすり撫でる/腎臓のあたり、足の裏をなで、さする/寝る前に塩茶でうがいをせよ/用のない時は、軽く目をとじている/四十歳以上の人は、ぬるい”こたつ”に入ってもよい/厚く着、熱い火にあたり、熱い湯を浴してはならぬ/久しく坐して、しびれのきれぬ法/頭辺に火炉をおくな/薄着で風寒にあった際の心得/四十歳以上は眼鏡を用いよ/朝の衛生行事—益軒、八十三歳で目と歯とが丈夫/歯の衛生/堅いものを食してはならない/牙杖の用いかた/臥床の中で風にあたらぬようにせよ/熱湯で口をすすぐな/食後の衛生行事、その一/同、その二/つねには七竅をとじていること/寝こたつの使用法/

 -二便

/二便とも、催さば早く通ぜよ/大便秘結する場合の措置/日月・神廟に向って大小便をするな/

-洗浴

/湯浴は十日に一度、行水は、しばしばせよ/熱湯に浴するな/沐浴の回数/温湯に、短時間、入浴せよ/食前の入浴は不可/熱すぎぬ温湯で浴するがよい/下痢・腹痛を治めるに温浴は有効/小瘡の者、熱湯に浴するのは危険/入浴後は、風にあたらぬようにせよ/経水の時、頭を洗ってはならない/湯治は、外症によく効き、内症には効験がうすい/湯治中、湯治後の衛生/海水を汲んで浴する時の心得/汲湯の効用/

巻第六 慎病

/病気にかからぬ用心が必要/当座の小慾のために病気を招いてはならぬ/病いやや癒えた時、一層用心して養生せよ/一時の快をむさぼってはならない/終りを慎むことを、始めにおいてせよ/内慾をおさえ、外邪を防ぐ用心を怠るな/病気の時は、養生の道を守って、しずかに回復を待て/あせらずに癒ゆるを待て/居室・寝室については、外邪、特に湿気を注意せよ/外邪を防がぬと傷寒にかかる/中風は下戸に少く、上戸に多い/春は余寒に注意し、適度に運動せよ/夏は食事を控え目にし、生冷を求めないように努めよ/四月(陰暦)中における健康上の注意/夏月、もっとも養生に注意せよ/夏月、養生のために用いる薬/古井戸に入るについての用心/秋は風邪におかされぬよう用心せよ/冬は暖をとりすぎぬよう、衣服にも暖房にも注意せよ/冬至の日の謹慎/冬月、針・灸・按摩を忌む/除日・除夜の行事/熱食して汗が出た場合の注意/負傷した者に対する手当法/寒中、遠行する場合の用心/甚だ冷えた体を、急に暖めてはならぬ/頓死・暴死にならぬ心掛け/神怪・奇異に迷うな/

-択医

/良医を択んで体を托せよ/才能と技術と仁心とのあるものが医を志すべし、世襲は不可/儒学の力、易の理を知れば、医学・医道を知り易い/良医と福医・時医/医道を精思して、治療にたけたるを良医とする/君子医と小人医/医者となっては、わが利養を忘れて、治病に専念せよ/医師は医術の工夫に専念せよ/自ら医術を心得て、医の良庸を識別せよ/医学十年、病功十年の労を積んで良医となる/俗医・草医は深い病根を見きわめない/医師たるものの本分/庸医に誤られて死ぬは愚/博きと精しきとは、医を学ぶの要訣/国字の医書のみでは、深く医学の原理を知ることができない/医学せずして、医術上手な医者はない/医者は病気に立ち向かうだけでなく、病人という人に立ち向かって治療せよ/古方を知り、風土・民俗を考えて治療の術を工夫せよ/投薬・治療の適中と偶中/医者は世俗の名利を求めるな/医も儒者の一事/読むべき医書三十五部の名/千金方は養生の書として秀逸/日本における医書刊行の沿革/医書講読における自主的・批判的態度の必要/諸医書の長短を知った上での併用/他の医者をそしってはならぬ/薬の用い方/医術上の三要/医師の見たてと服薬/

巻第七 用薬

/病源と病状とを明らかにせずに服薬してはならぬ/薬を濫用するな/良医が薬を投ずるの法-温故知新/薬補は食補にしかず/薬を濫用するな/病気初発の時に良医にかかるがよい/衛生の道ありて、生の薬なし/薬性と製法の上から薬の良否を吟味せよ/薬の煎じ方に二類がある/一服の薬糧、日本において中国より少ない理由/薬量の少なきに過ぐるは可ならず/利薬の分量/補薬の分量/婦人の服薬量/小児の服薬量/利薬・補薬の煎じ方、用い方/補薬の用い方、人によって異なる/身体の大小によって服薬量を異にする/小児の、利薬・補薬の煎じ方、服薬量/古法を、国土・時宜に適するように改めて、服薬せよ/日本人に適する薬法・薬量を考えよ/煎薬に加える四味の役割/泡薬の用い方/泡薬は、日本に独自の煎薬法/補薬は、熟を用い、利薬は生(なま)も可なり/補湯服用中の養生/利薬の用い方/丸薬・散薬・煎湯・泡薬の効用性の特色/薬を飲む法/薬を煎ずるに人を選べ/症状と服薬法/中国の薬剤調合並に煎法と日本の場合との分量上の差/朝鮮の煎法は中国そのまま/煮散という煎じ方/甘草の使用量を、せめて中国人の、五分の一にせよ/生薑(しょうきょう)を加える量/棗を加えてはならぬ病症/日本人は淡白な品を食う。補薬を少なくし甘草を減らせ/薬を煎ずるには水を選べ/利湯を煎じるのに、滓まで用いてはならぬ/生薑の使用法/棗を薬用に用いるについての心得/服薬後の衛生/薬を服する前後に、たべてならぬ品々/補薬・利薬の煎じ方/補薬は小剤にして少しずつ服し、利薬は大剤にして、早く効を収む/薬を煎じる道具、砂罐と薬罐/利薬の煎じ方/中毒の解剤には冷水を用いよ/中毒した時の応急手当/酒を煎湯に加うる法/腎臓を養うの法/散薬と丸薬との用い場所、その一/同、その二/薬の調合には秤を用いよ/香の衛生的価値/悪臭を去る手当/大便の秘結した時の療法/丸薬より早くできる新製法/

巻第八 養老

/老いた親を養うの途/老人を養うこと、幼児を養うが如くせよ/年老いては、心静かならんことを念がけよ/心たのしく残躯を養え/老いて慾深く、気短くなることを、親は反省し、子は注意して奉仕せよ/老人の保養/気をへらさず、気を惜しめ/老人に対しては酒食の質をえらんで与えよ/衰老の人は寒・暑の外邪に気をつけよ/飲食する品質をよく選べ/老人を淋しがらせぬようにせよ/時々園圃に出て心をなぐさめよ/万事に無理のないようにせよ/七十歳になると、気体の衰え、顕著に進む/心の興奮を避け、日々を楽しく暮せ/老人は心を収めて、事を少なくせよ/朱子の食養生/風雨・大寒・大暑の時は、外出を避けよ/老いては小食を旨とせよ/老人には食療法が第一/こわき物と間食とを避けよ/日々を心たのしく暮せ/心と身とを養うのを専一にせよ/俗交・俗慮を去って、静閑を楽しむ/静養を旨とせよ/床几によりかかりて坐せよ/

-育幼

/三分の飢と寒との中で育てよ/外に出して外気にあたらせよ/小児の保養法は、牛山の養草に詳記してある/

-鍼

/鍼の効用と、鍼を用いる時期と病症/衰老のひとには、あらく鍼を刺してはならぬ/

-灸法

/灸の効用/灸の製法/艾の産地、かくとだにえやはいぶきのさしもぐさ/灸炷の大小と灸のすえ方/灸に用いる火の選択/灸をすえる姿勢と順序/不祥の時に際して灸してはならぬ/灸後の食養生/身体の強弱と灸炷の大小・度数/灸瘡を発せしめる法/阿是(あぜ)の穴に予め灸して外邪を防ぐ/一壮・二壮ずつ、毎日灸をすえることの効果/禁灸の日、ありとする説、信じがたし/小児に灸する時の心得/項に灸してはならぬ/灸治の効用と、二月・八月にすえる灸/要穴にのみ灸する/頓死者に灸する/衰老者への灸治の仕方/ひねり艾と切り艾/諸瘡、腫物の初期に灸をすえるがよい/灸治は午後がよい/

【和俗童子訓】

巻之一 総論 上

教育は早期から始めよ
/先入したものが一生を支配する/人は生れて五常の性を具備している-万物の霊長-/人を人にするには教育が必要/教育は予めするを先きとする/
よい人を選んで子供の左右におけ
もの食い、もの言い始める頃から教育を始めよ
/乳母の人柄を択べ/悪に染まって後に、教え始めるのでは遅い/高貴の子供ほど、早くから、きびしく教えよ/幽霊・化物などを持出して、おどしてはならぬ/大人の心のなぐさみに、子供を弄ぶな/子供を驕慢ならしめるな/
愛におぼれてはならぬ
/衣を薄くし、食を控え目にせよ/厚着をさせることの害/小児を戸外に出して、風と日とに当たらせよ/
乳母を択ぶ基準
/幼児は、よろずにつき、周囲の振舞いをまねる/
子供には義方を教えることから始めよ
/姑息の愛におぼれるな/
厳に、きびしく教えよ
/姑息の愛は、驕慢と私慾とを生産する/父と母と、その子の行状について隠し合ってはならぬ/
小児の時より礼儀と読・習・芸能とを学ばせよ
/衣服・飲食を簡素にして、窮乏に堪える生活に慣れさせよ/安逸に慣れると窮乏に堪えない/一人息子は、一層、困苦に慣れしめよ/
忠信の心情を養え
/子供を欺くことは、偽るすべを教えることになる/約束を重んずる風をやしなえ/
仁愛の心情をやしなえ
子供は早期より教えよ
/先入したものが主となる恐れがある/よい環境において、自然に善に移らせよ/躾け、礼法を身につけさせよ/
子供の好み・学びに、基準あらしめること
/道にそむき、人に害ある遊びをさせてはならぬ/一つの芸のみに熱中させてはならぬ/
父たり傅育者たるものの注意
/子供の好むところに流れるな/習癖のできた後に、戒めたのではおそい/
男児・女児の遊戯ーを好むは自然の情である。圧迫してはならぬ
/費え多き遊戯、博奕に似た遊戯を禁じよ/
礼は天地の常であって、人間の作法
/人のわざ、事毎に礼あり/
人と交わるに温恭の心構えを失わぬように躾けよ
/高位の人ほど、低姿勢をとれ/
矜は悪徳中の悪徳
/わが子の善行・才芸をほめてはならぬ/人に三愚がある(益軒の言葉)/
学習の初めに人柄のよい師匠を選べ
/正しい学術を選んで学ばせよ/まず「小学」の法から学ばせよ/
朋友を選んで交わらせよ
/朋友の与える影響—朱に交われば赤し/無頼の徒と交わらしめるな/
四民ともに学ぶべき学科目
/礼儀・作法、聖経、習字、算数/武士の子には武芸を併習させる/学問は本、芸能は末(経学は本、武芸は末)/書・数の二科は四民ともに学習せよ/算数を賤しむ日本の風俗は否/治者は領内の人口と年貢の収納高とを知って、政治・軍事の基本とする/高貴の子弟、かならず、算数を学ぶべし/音楽を学べ、しかし、おぼれてはならぬ/学問を専一にせよ/
富貴の家の子弟には、とくに厳しく学問を修めさせよ
高貴の子弟は、人を知り、世を知り、政を知るために、少年の時より学問せよ
/修身・治国の道を学ぶ/
高貴の子弟には、早くから善き師と良き近習とを附けよ
/諂いと虚偽との中で育ててはならぬ/良師と善良な近習とが、高貴な子供の、反省と判断とを助成する/悪しき師をつけるより、師のない方がよい/

巻之二 総論 下

愛・敬の心を本にして孝悌の道をおこなう
/愛・敬を、父母に致せば孝。兄・長者に致せば悌/
朝、師に学び、昼・夕に反復練習し、夜、一日の言行を反省する
弟子は己を空しくして師を敬い、学べ
/知ったと思うことでも、知らないとする心構えで学べ/
人の学ぶべきものと、その順位・軽重
/孝ということ/弟ということ/謹むということ/信ということ/汎(ひろ)く衆を愛す/仁にちかづく/行って余力あらば、文を学ぶ/経学を主として六芸を学べ/
己れに克って、学を習い、業を修めよ
/己れに負けて気ままに暮らすことの非/読書をきらう心の発生/家業に勤めるものの姿/己れに克つものこそ学成り業達す/煩に耐ゆるの心/
他人からの諫を、率直に受入れて、長く守れ
/同じ諫を、重ねて受けることのないように、気をつけよ/人の諫を受けつけぬ者は、身と家とを亡ぼす/
善に就き悪を去る志を立てよ
/択善去悪の志は、学問に先行する/
父母の恩を片時も忘れるな
子供に学問させることをいとう悪風
習い馴れる力を恐れよ
学問する法
/善と義とを実践するための学問である/心は純一にして、青天白日の如くであれ/善友を択び、悪友を避けよ/朝寝をせず、身づくろいを正しくせよ/朝に道を学んで、夕に実践せよ/
子供の時から迷信を作らせてはならぬ
/利慾のために、神に祈ってはならぬ/
十歳にして、家を出て学問所に居らしめる
/艱苦と規律と集団との中で、子を育てる/孝弟の道を、父兄では教えにくい/
父兄の咎めに遇った時、子供のとるべき態度
/怒りの色、恨みの色をあらわすな/
子供を咎め、戒める際の父兄の態度、言葉
/罵り辱しめてはならぬ/
小人の、悪のささやきに耳を傾けるな
父母に対して和気を失うな
みだりに人を誉め、そしってはならぬ
幼時より、老人の物語を、心をとめて聞け
/蒲生氏郷、老人の軍物語に耳を傾けた例/先祖の事績は、聞くに従って書き留めよ/
上智と下愚とは少ない。よく教えれば、善になる者が多い
/父の行状と心情とが子に移る/教育の効果/
子供の衣服は、派手ならず、上品なるがよい
農工商の子には、習字と算数と家業とを教えよ
/雑芸にふけると、家をほろぼす/
十歳以前から教育に注意せよ
/幼時の教育次第で、よくも悪しくもなる
/人の本性は善/
酒を多く呑まぬ習慣をつけよ
/酒を必要とする場/多酒の害/酒量多きは万病の基/酔中に、書状を出すな/
小児は言葉数を少なくせよ

巻之三 随年教法

六歳から始める文字教育
/数の名、方の名/和字の読み・書き/五十韻を平がなで書いて縦横に読ませ、書かせる/往来などのかな文の手本を習わせる/尊長を敬う/言葉づかい/
七歳の教育
/男女、席を分つ/(知力の発生)礼法を教え始めるが、その心にまかせて一々責めぬ/和字の読み・書き/
八歳の教育
/諸般の礼を教える/侍者より、子供へ孝弟の道を教える/弟。臣僕をいつくしむ/忠信・廉恥の道を教える/礼法をきびしく守らせる/真と草との字体を書き習わせる/大字を習わせる/読み、を教える/文句短きものを諳誦させる/
十歳の教育
/師に就いて学習させる/小学・四書・五経と武芸とを教え始める/
十五歳 大人の教育
/大学の道を講習する。とくに高貴の子弟に必要/身を修め、人を治めるの学/遅鈍の人も、二十歳までに、小学・四書の大義に通ぜよ/
二十歳の教育
/元服ということ/博く学び篤く行う/

巻之三 読書法

読むべき書は経と伝
/経は四書・五経/伝はその註/
読書する折の心構え
/読書・学習する際の身構え、本のとり扱い方/聖賢、君父の名を記した故紙のとり扱い方/
年齢並に学習年月の進歩と課業時間
/七歳、初学の半年は、食前の小時間のみ課業/
/心到り、眼到り、口到る、三到の読書法
/反復練習の効果/経伝の外、雑書を読みあさるな/
文学は簡要を選んで教えよ
/好んで、自発的に学ぶように仕組め/日々の課程を短く組みおくこと/師がなければ、父兄自ら教えよ/
教育課程の原則
/易きより難きに進む/教材としての単語篇(和漢名数)/十干・十二支、月の異名、国名・郡名、百官名/魚名づくし、草木字尽/三字経、千字類合、千家詩/単語篇を終って経書の短文にとりかかる。孝経、論語(学而篇)を先ず学ぶ/小学・四書・五経の順に進む/
返りよみの効果
/反復読習すれば学力進む/八歳より十四歳までの七年間に、孝経・小学・四書・五経の素読を終る/
単語・単句・複文と順次に学び進ませる
/初学には、一日に一字、二字、三字位ずつ教える/次に一日に一句を教えて、いく度も復読させる/一、二句をつづけて授け、つづけて復読させる/
句読、読み音、訓点を正確・明瞭に学ぶ
前々に読み了えたところを、今日授かった所と併せて、つねに復読する
善行も記憶も、積んで大となす途をとる
講義は、浅く短き章から入ること
/孝経(首章)・論語(学而篇)から始める/
読書の内に、文義を教える
/読書にとけこんで、文義をさとす実例/
時間をむだにせずに勉強せよ
/少年期は、記憶力がつよい。この期に学ぶがよい/
学習の要訣
/四書・五経を熟読すれば、文義をさとる基礎となり、文章を綴る力が養われる/
孟子を、とくに熟読・弄味せよ
/義理の学、文章の料に有益/作文の学としては、唐・宋期の文、三十篇を択んで熟誦する/
四書の内を、毎日、百字ずつ、百遍、空に誦し、空に書く
/四書の語句・文章を読誦すれば、学力、文章力の根柢となる。/四書、五万二千八百四字は、一日、百字ずつ読誦すれば、十七か月と十八日ですむ/益軒、八十歳で、この学習法をさとる/五経も日課を立てて、この方法で学ぶ/
史書の学習法
/国史ー日本紀以下の六国史、近代の野史/中国史ー左伝、史記、漢書、朱子の通鑑綱目/通鑑綱目は特に良書/
少年期の閑暇を、学習に利用せよ
/暇は身の宝、よく活用せよ/少年期の気力と記憶力と閑暇とを用いて学習せよ/
文字を学ぶことが、学問することの根柢

巻之四 手習法

書は、平正で、読み易いのを本意とする
/世用本位の書体、書風がよい/
初学から風体の正しい書を習わせる
/日本人の手本をまず習い、次いで中国人の手跡に進む/唐筆の代表的な手本/
古代の能筆を求めて手本にせよ
/手習の法/
唐様の古筆を学べ
/近世の唐筆を、手本にしてはならぬ/
真字は中国の古筆を学び、和字は和流の古筆を学べ
/世尊寺・清水谷などお家流の古筆を学ぶ/
習字の初歩教材ー数字・名数
あいうえお五十音図
/いろは歌は無用。片仮名は遅く教えよ/
墨のすりよう、筆のもちよう
/老草に書き習ってはならぬ/
双鈎という筆の持ち方
/日本流は単鈎に持つが、それは不可/
双鈎の方法—筆を持ち、筆を運ぶ生理
筆の持ちようの四法
/虚と円との方法/正と緊との法/
幼時は、大字より書き習え
/悪い筆で、良い紙に習え/
真字を書く方法
/横の筆画は細く、縦の筆画はあらくせよ/
指で筆を動かしてはならぬ
筆の使いようの法—蔵鋒
入木ということ
神彩を先にする
書奴ということ
墨はやわらかくすり、筆は堅く執る
手習後の硯水のつかい方
/筆に墨をそめるは、三分以下にする/
筆軸の持ち場所は、真・行・草によって異なる
腕法三種
枕腕・提腕・懸腕
字を学ぶには、真書を大きく書く稽古から始める
/真より入るは中国の古法/真を学ばずに草を習うと、誤字が多くなる/大字から入ることの効用/
字画をただす典拠
/説文・玉篇の首巻、字彙の末巻、読字彙の字体弁微/
書状には書礼を重んじよ
唐流には筆法一般についての慣例はあるが、個々の文字についての伝授はない
/和流には字毎に伝授がある。/
世間日用の文字を学べ
/人事・器財・制度の名、物品名、虫魚・草木の名/順和名抄・節用集・下学集は便利だが、誤りも多い。用いてはならぬ/訓蒙図彙・和爾雅・倭字通用例書、について学べ/
仮名づかいとてには
/開合の音と仮名のつかい方/和訓の言葉と仮名のつかい分け/てには、というもの/かかりと結びとの語法/

巻之五 教女子法

女児はひとえに、親の教え一つで育つものである
/男児は師友、世上の交際からも学ぶ/
幼時より女徳を養い育てよ
/女徳というもの/容貌よりも心ばえを本にして女人を選ぶべきこと/中国における善悪二つの先例/諸葛孔明の場合/容貌は変じがたし、心は改めて善に移すことができる/女徳の本源は和と順/和順ならざる女性の風貌/女徳の貌/
婦人は敬順の道を貴ぶ
/敬と順との関係/
主婦の仕事と任務
/家内における主婦のつとめ/家を保つ職分/
男は外を治め、女は内を治める
/内政をつとめるのが婦人の職分/女功を自らつとめよ/
女性の四行
/婦徳(女徳)、婦言/婦容/婦功の内容、(イ)裁ち縫い、紡み績ぎ、/(ロ)食物の調理/
女児七歳にして文字を習う
/古歌、数目ある句、短句・短文/孝経(首章)、論語(学而篇)、女誡/十歳以後の稽古事、織・縫・紡・績/小唄、浄瑠璃、三味線に親しませてはならぬ/女子に淫声を教える現代の風俗/伊勢物語、源氏物語を早くから見せるな/読み・書き・算数を教えよ/
婦人三従の道
/父・夫・子に従うの道/敬しむの一事を離れるな/
婦人七去の法
/子なきと、悪疾とは天命で、如何ともできない/父母・舅姑・夫に従わねば去る/子がなくても、妻を去らざる途がある/多言なれば去る/盗み根性の婦人は去る/七去の内の五つをつつしめ/
女児を幼時から、きびしく教えよ
/生家の教えが厳しくなければ、婚家の教えに耐えられない/
早くから女功を教えこめ
/女功というもの/
身を清潔に保つこと
男女の別をはっきり立て、貞節を守れ
/命にかけて貞節を守れ/和順と節義との異同/夫婦の間にも別を立てよ/
嫁する日の心得
嫁する女に、父母の教うべき十三か条
/一、生家の父母よりも舅姑を重んじ仕えよ/二、夫を主君と思って事えよ/三、小舅・小姑を敬い、いつくしめ/四、嫉妬の心をおこすな/五、夫を諫めるには、やわらかに、しずかに諫めよ/六、言葉数をつつしめ/そしりを伝えるな/七、油断なく家事にいそしむこと/織・縫・紡・績の仕事をつとめよ/遊芸を好み、宮寺などへ出掛けることを好んではならぬ/八、巫・覡・邪神に迷ってはならぬ/九、奢をさけ、倹約を旨として、家政の堅実をはかれ/一〇、夫の兄弟、親戚、朋友でも、男女の別を厳重に守れ/一一、衣服を派手やかに着飾ってはならぬ/一二、生家を先にし、婚家を後にしてはならぬ/一三、側近の下女の使いよう、取扱いよう/十三か条の結び/結婚用の器財、衣裳が華美にすぎる風習/衣裳より心の修養が大切/親たるものは、女子の教育に心をつくせ/
嫁しては、ふたたび生家に返されざるように心掛けよ
/人を許すは可、人から許されて住むは、本意でない/
心ざま悪しき病五種
/不知(無知)は五病中、一番重い病/

解説

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