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November 2023

November 26, 2023

松長有慶『密教』

HMVネット購入。2023年6月25日注文。


書名:密教
著者:松長有慶
出版:岩波新書(1991年7月第1刷)


《目次》


Ⅰ ヒマラヤを越えて—密教の歴史的な流れ—


1 生きている密教
/海抜五千キロメートルでの出会い/
{・・・密教が生きた宗教として、庶民の間に信仰され、また僧侶の間で学問的な研究がいまなお続けられているのは、日本とチベットだけなのである。}
/チベットに入った密教/チベット仏教の現在/


2 日本密教とチベット密教
/日本密教とチベット密教の違い/なぜ相違点が生じたのか/チベットに残るインド密教/


3 インド仏教の中の密教
/初期仏教と呪術/呪法と儀礼の採用/純密経典の誕生/


4 ヒンドゥー教と密教
/ヒンドゥー聖典、タントラ/タントリズム/神秘主義の一つの極致/


5 中国・西域地方の密教
/西域から唐の都へ/密教僧の活躍/密教の衰退/


6 東南アジアの密教
/インド文化の伝播/インドネシアに渡った密教/


7 日本の密教
/民族宗教の神とともに/空海と最澄/異教の神の仏教化/


Ⅱ 人間と宇宙—密教の思想—


1 マクロとミクロの対応
/小さな人間と、宇宙/現象世界の中の真実/


2 神、仏、そして人間
/神と人間の関係/仏教における神・仏/成仏という目標/即身成仏/


3 真理が語る
/釈尊は仏教を説き尽くしたか/真理が法を説く/四種の法身/


4 顕われたものと隠れたもの
/具体的な教えと秘密の教え/秘密とは何か/衆生の秘密/


5 宇宙を仏とみる
/密教経典の説き手/大日如来の意味すること/四智から五智へ/


6 宇宙の根元的なもの
/本初仏の登場/空海の六大説/マクロとミクロの一体化/


7 二つは一つ
/二元の一元化/智と理/


Ⅲ 自己の発見—密教の実践—


1 平常の自己と本来の自己
/宇宙的な規模の自我/自己を見つけるヨーガ/


2 師匠と弟子
/師への絶対服従/師と弟子/師恵果と弟子空海/


3 宇宙を凝縮する
/三密の行/
{密教の行の基本的な形は、三密(さんみつ)の行である。行者の手に「印契(いんげい)」を結び、口に「真言」とか「陀羅尼(だらに)」を唱え、心を「三摩地(さんまじ)」の境地に入らせることを三密の行という。・・・}
/さまざまな印契/宇宙の音を集約す/陀羅尼、真言、呪/


4 密教の行と儀礼
/三密の瑜伽行/四度加行/護摩の法/灌頂を受ける/曼荼羅供/


5 密教の観法
/成仏への三種の力/密教の観法/月輪観(がちりんかん)と阿字観/種子(しゅじ)、三昧耶形(さんまやぎょう)、尊形(そんぎょう)/


6 日本とチベット 密教の観法
/日本とチベットの比較/日本密教の修法/チベット仏教の修法/


7 現世利益から成仏へ
/民間に根づく祈願/現世利益を求める/悟りへの道/


Ⅳ 感覚で捉える—密教のシンボリズム—


1 混沌と秩序
/混乱と喧騒とが渦巻く場所/コスモスとカオス/宇宙の投影—曼荼羅の登場/


2 色、形、音、運動
/分けるという働き/タントラとヤントラ/声と音/色と形/


3 曼荼羅の構造
/曼荼羅とは何か/曼荼羅の歴史/


4 胎蔵曼荼羅
/両部の曼荼羅/胎蔵曼荼羅の構造/現図曼荼羅の特色/


5 金剛界曼荼羅
/金剛界曼荼羅の構造/金剛界の五仏/曼荼羅の様式/金剛界九会の曼荼羅/


6 曼荼羅の展開
/曼荼羅の変遷/無上瑜伽密教の三つのグループ/


7 対象になりきる
/曼荼羅は宗教画か/曼荼羅の声なき声/密教芸術の真髄/


Ⅴ 個から全体へ—密教の社会性—


1 俗と非俗
/非俗の世界に生きる/世俗世界での民衆の救済/空海の中の俗と非俗/


2 欲望の肯定
/欲望と人間/煩悩をどう取扱うか/有相(うそう)の悉地(しつじ) 無相の悉地/


3 国家とのかかわり
/国王と密教/天皇、国土、民衆/


4 衆生救済を戒とする
/三心平等と三昧耶戒/十善と四恩/


5 すべてのものに生命が宿る
/進行する環境破壊/水に宿る生命/


6 新宗教と密教
/新宗教再考/現代人の世界/密教と新宗教/


7 現代社会と密教
/密教の思考方法と近代/多元的な価値観と、行動力/


あとがき
索引

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November 20, 2023

フッサール『現象学の理念』

この本は1980-81年頃に名古屋の書店で購入したと思われます。内容はいわゆる認識論ですかね。こういう堂々巡り議論、デカルト、カントあたりを筆頭に、いろんな人があーでもないこーでもないと議論して、ついには言語の本質問題に行き着いたが、そこでもやはり堂々巡りが繰り返される。。。こういうことが無駄だというのを証明することは可能な気がするが。。。それともバガヴァッド・ギーダーとかの古代インド哲学に解決の手がかりがあるかも。。。もしかして哲学者という職業を確保するための捏造じゃないよね(笑)


書名:現象学の理念
著者:エドムント・フッサール
訳者:立松弘孝
出版:みすず書房(1965年10月第1刷)


《目次》


編者序


講義の思索過程


講義 一


*自然な思考態度と自然的態度の学問
*哲学的(反省的)思考態度
*自然的見方における認識反省の諸矛盾
*真の認識批判学の二重の課題
*真の認識批判学は認識の現象学である
*哲学の新次元、科学に対立する哲学固有の方法


講義 二


*認識批判の出発点、あらゆる知識を疑うこと
*デカルトの懐疑考察にならって絶対に確実な地盤を獲得すること
*絶対的所与性の領域
*再論および捕捉、認識批判学の可能性に対する反対論の論駁
*自然的態度の認識の謎、超越
*内在と超越、両概念の区分
*認識批判学の第一の問題、超越的認識の可能性
*認識論的還元の原理


講義 三


*認識論的還元の遂行、一切の超越者の排去
*研究の主題、純粋現象
*絶対的現象の<客観的妥当性>の問題
*単一的所与性へ限定してはならない、現象学的認識は本質認識である
*<アプリオリ>の概念の両義性


講義 四


*志向性による研究領域の拡張
*普遍者の自己所与性、本質分析の哲学的方法
*明証の感情説批判、自己所与性としての明証
*実的内在の領域へ限定しないこと、すべての自己所与性が主題である


講義 五


*時間意識の構成
*本質の明証的所与性としての本質把握、単一的本質の構成と普遍性意識の構成
*範疇的所与性
*象徴的思考内容そのもの
*最も広範囲の研究領域、認識による対称性の諸様態の構成、認識と認識対象性の相関関係の問題


附論
附論一
附論二
附論三
附録 原典批評(テキストの成立の形態)
校注


訳注
訳者あとがき

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November 19, 2023

『バガヴァッド・ギーター』

神戸三宮のジュンク堂書店で1992年に購入した模様。

書名:バガヴァッド・ギーター
訳者:上村勝彦
出版:岩波文庫(1992年3月第1刷)

《目次》

まえがき
凡例

第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章

訳注
解説
参考書

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November 13, 2023

ハッブル『銀河の世界』

HMVネット購入。2022年4月17日注文。難しかった。


書名:銀河の世界
著者:E.P.ハッブル
訳者:戎崎俊一
出版:岩波文庫


《目次》


凡例
はじめに


イントロダクション:科学の研究


1 天文学の言語
2 距離の単位
3 見かけの等級
4 絶対等級
5 セファイド変光星の周期-光度関係
6 星雲と系外銀河
7 個々の銀河の名前


第1章 宇宙の踏査


1 後退する地平線
2 島宇宙理論
3 銀河の性質
(a)問題の定式化
(b)問題の解決
4 宇宙の住人
5 銀河の領域
(a)銀河の分布
(b)速度-距離関係
6 宇宙の標本としての観測できる領域


第2章 銀河の分類と性質


1 銀河の分類
2 共通のパターン
3 楕円銀河
4 渦巻銀河
(a)正常渦巻銀河
(b)棒渦巻銀河
5 渦巻銀河の系列
6 規則銀河の系列
7 その他の性質
8 不規則銀河
9 標準銀河
10 系列に沿って系統的に変化する特徴
(a)スペクトル型
(b)色
(c)星への分解
(d)型の相対頻度
11 まとめ


第3章 銀河の分布


1 銀河の掃天観測
2 空の中での分布
3 天の川銀河の吸収
4 暗黒星雲
5 吸収層
6 一般の場所
7 天球の上の大きなスケールでの分布
8 深さの方向の大きなスケールでの分布
9 小さなスケールでの分布
10 銀河群
11 銀河団


第4章 銀河までの距離


1 距離尺度の発達
2 渦巻銀河内の新星
3 銀河の星への分解
4 セファイド変光星
5 銀河は天の川銀河と同じ大きさを持つか
6 他の銀河までの距離尺度


第5章 速度-距離関係


1 銀河の初期のスペクトル
2 最初の視線速度
3 スライファーの視線速度のリスト
4 データの解釈
5 距離の関数としてのK項
6 速度‐距離関係
7 ハマソンの視線速度のリスト
8 銀河団
9 孤立した銀河
10 速度-距離関係の意義


第6章 局部銀河群


1 局部銀河群のメンバー
2 天の川銀河
3 マゼラン銀河
4 メシエ31
5 メシエ32
6 NGC205
7 メシエ33
8 NGC6822
9 IC1613
10 局部銀河群に属しているかもしれない銀河
11 まとめ


第7章 一般の場所の銀河


1 距離尺度
2 最も明るい星
3 最も明るい星を使った尺度の不確定性
4 最も明るい星の尺度の適用
(a)分解された銀河の光度関数
(b)おとめ座銀河団までの距離
(c)速度-距離関係
5 速度-距離関係の較正
6 銀河団銀河の光度
7 統計的な距離尺度についての選択効果
8 一般の場所の銀河の光度
9 銀河の大きさ
10 銀河の質量


第8章 銀河の世界


1 いろいろな限界での掃天観測
2 銀河の深さ方向の分布
3 分布の定量的な記述
4 銀河間空間
5 観測できる領域
6 赤方偏移の見かけの明るさに対する効果
7 数効果
8 エネルギー効果
9 赤方偏移効果と観測された一様性からのずれ
10 宇宙論の理論


解説
訳者あとがき

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November 12, 2023

林屋辰三郎『歌舞伎以前』

たぶん6年ほど前にブックオフで108円で買いました。


書名:歌舞伎以前
著者:林屋辰三郎
出版:岩波新書(1954年11月第1刷)


《目次》


序章 歴史・生活・芸能


一章 古代のたそがれ


1 古樂圖


2 新猿樂記


3 賤民の行方


4 散所のすがた


二章 今様の歌ごえ


1 鴨川の水
{・・・京の祇園御霊会は、平安奠都後一世紀ほど経って、しだいにはげしくなってくる氾濫とそれに伴う疫病をはらうために、869年(貞観11年)民衆の手によってはじめられた災疫消除の呪術的なまつりであるし、今もささやまにのこる四条南座のほとりの眼疾地蔵の堂も、そのころ民衆が雨の止むことを祈って、ひそかに中国の治水で知られた禹王をまつった廟であって、いつしかアの字を失ってメヤミ地蔵となったという。当時の政府に期待をかけることのできなかった民衆のこころが、しみじみと感ぜられると思う。・・・}


2 梁塵秘抄


3 このごろ都にはやるもの


4 琵琶法師


三章 「座」の世界


1 田楽法師原


2 座のさまざま


3 樂頭職


4 結座性


四章 一味の寄合


1 自由狼藉の世界


2 郷土愛


3 一味同心


4 茶數寄


五章 能と狂言


1 猿樂の分化


2 世阿彌元清


3 秘傳


4 狂言の世界


六章 河原の人々


1 二つの往生談


2 河原者


3 唱聞道


4 一揆の波


七章 東山文化


1 金閣と銀閣


2 村田珠光


3 同朋衆


4 酒屋土倉


八章 町衆生活


1 町衆の誕生


2 風流踊


3 八ヵ條制禁


4 祇園會


九章 歌舞伎前夜


1 手猿樂


2 芝居の系譜


3 好みのうつり


4 能の留帳


十章 黄金世界


1 利休の故郷


2 黄金茶屋


3 彌勒の世


4 隆達小歌


十一章 歌舞伎誕生


1 かぶき踊


2 浄瑠璃


3 續き狂言


4 お家の世界


十二章 傳統文化


1 家元制度
{日本の伝統芸術といわれる能・狂言・歌舞伎、ことに茶道などは、これまでのべてきたように、その中世の発生期にはひろい民衆的基盤の上に、あるものは政治的権力にもつよく抵抗して成長してきたにもかかわらず、現代においては「家元制度」といわれるきわめて非近代的な組織がそれらにおおいかぶさり、それぞれの芸能の種別によって強弱の差はあるにせよ、大きな権威をもってその世界に君臨している。それは多少なりとも芸能の世界に関係しようとするものならば、必ず直面する周知の事実である。それは文字を見てもわかるように、近世封建社会という「お家」の世界で、これらの芸能が固定したことによるのであるが、いまその本質や成立過程について、考えておきたいと思う。
もともとこの家元制度という組織は、とくに、ここにかかげたような芸能の世界において顕著に見出されるとはいえ、必ずしもそれらにかぎるものではなく、和歌・俳句はもとより書道に及び、さらに芸能にかぎらず宗教・思想の世界に広がっているのであって、じつに日本人の生活様式を大きく規定づけているといっても過言ではない。とくにその特徴のように考えられる世襲・秘伝ということを見れば、その起源は古代・中世にもさかのぼりうるようであるが、その実態ははなはだ幕藩体制に類似している。すなわちその機構は師匠と弟子との間に、家族主義的に擬装された主従関係をもちこんだもので、家元のもとには多くの師匠とその弟子たちが、幾段階かの許状の売買を通じて結びつけられており、さらに家元の厳重な統制のもとで、彼らはさまざまな経済的負担をせねばならぬ。そういう仕組は、政治の世界では幕府と諸藩とその家臣団という組織がつくられて、はじめて集中的にあらわれるのである。芸能の世界でも、中世においてすでに現れはじめた秘伝継承をめぐる対立と分裂という、内部的な矛盾を解決する方法として、家元が将軍や大名という政治的権力を結んで急速に自己の権力組織を確立したものであろう。この制度には、かならず二つ以上の対立したものの共存する現象がみられるが、それはこの事実を裏書きしているともいえる。たとえば能における四座、茶における三千家、宗教における東西両本願寺といったような並列は、これらがたがいに競合して、この制度をいっそう助長したことを考えしめる。
したがって中世には家学、家芸を相承する家元ではあっても、主従関係的な家元制度として固定したのは、幕藩体制の成立と時期をともにするのであり、大たい鎖国の行われた寛永という時期であったといえる。そうであるとすれば、この制度と時期はきわめて重要な意味をもってくる。なんとなれば端的にいうと、この時期は、自由な発生期の気分をなおのこしていた文化事象が、政治的圧力で固定せしめられたとともに、そのような文化事業が、この家元制度などをたよりに伝統文化として、わずかに形態だけは伝えられるようになったという、そういう結節点をなす時期であったと考えられるのである。したがって家元制度にあたえられるさまざまな評価というものは、その確立した寛永という時期と深い関係があるように思われる。多くの家元制度にたいする非難は、そのために日本芸能がまったく創造性を失ってしまったという点にむけられるし、賛辞は日本芸能がともかくその原初的形態に近いものを維持しえたという点に与えられるようである。そのような意味で、次には寛永という時期の文化を考えたいと思うのだが、たとえその確立の時期に原因があるにせよ、現在の家元制度はどのようにわれわれはうけとめるべきであろうか。
今ものべたように家元制度じしんが功罪の二面をもつように、その中核をなす秘伝も、さきにもふれたように単なる知識の独占による経済的意味とともに修業段階に応じて伝授する教育的意味をもあわせもったのであるが、そうじていえばその制度が専制的な政治権力と結びつくことによって、否定的な面を大きくしたことを否めないと思う。現在、家元制度の最も顕著な存在である茶道ついても、そのことが考えられる。
茶は利休自滅ののちは、彼の予言にたがわず、都鄙に流行をきわめたけれども、封建的権力の確立にともなって、古田綾部、小堀遠州、片桐石州から松平不昧にいたる大名茶が、むしろ隆昌をきわめ、遠州の言葉にも、「茶道とて外にはなく、君父に忠孝を盡し、家々の業を懈怠なく、ことさらに旧友の交をうしなふことなかれ」と説くように、近世封建社会に適合するものになっていった。茶湯をはじめ諸芸能に、武士道などと同じような、道としての倫理的意識をもちこまれたのもこのころである。幕府や諸侯もまた数寄屋頭や茶頭坊主などをおいて、これを助長したことはいうまでもない。このように茶道がまったく権力の中につかまれてしまったのに対して、利休の茶統はその子道安、少庵を経て、少庵の子宗旦によって京都で再興されたのである。彼は大徳寺の喝食から還俗し、一生権勢に附属せず、「侘茶」の主張を明らかにしたのものにほかならなかった。そのような千家の道統は、その本来の庶民的伝統を守るものとして、家元制度のよい面をもったはずであるが、その歴代にはとくに茶道に対する新工夫をあらわすことができず、いたずらに古態を墨守した結果、完全に形式偏重におちいったのである。こうした時に、さきにいちじるしく発展した大名茶が、元禄の絶頂期をすぎて、大名経済の窮乏とともに衰頽して、諸侯の所蔵する茶器類も民間の富商らの手におびただしく流出することになった。ここにこれらのいわゆる名器を通じて、三千家が大名的茶風の大きな影響をうけるようになった。こうして茶道は、その内容においてもますます固定し、家元じしんが権力と結んだとき、その本来の風姿を失ってしまったのである。
このようにして現在にのこされた家元制度の形骸には、これを封建的なものの温存に利用しようとする人々のほかは、もはやそれじしんとしての積極的意味はなくなっている。家元個人の伎芸には、しばしばながい間の生活環境と体験によって、簡素でしかも洗練された境地を示すものがあったとしても、そのことは家元制度を擁護する理由にはならない。すくなくともその伎芸が、ひとたび家元制度の機構のなかに入り、直弟子さらに門下に伝習され、地方の小家元に至るころになると、一挙一動が極端に誇張され、権威づけられて見るにたえないようなものになってくるのが実状である。それは家元個人の意志の如何にかかわらず、さきにのべたように家元制度から必然的に発生する現象にほかならない。さらにまた家元個人の修道の態度には、尊重すべきものが多くあるであろうが、そうしたものも、新しく学校教育その他の方法で、ひろく伝習せらるべきものでなくては、新しい時代にうけついでいく意味がなくなったと思われる。}


2 寛永という時代


3 第二の古樂圖

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November 05, 2023

田中克彦 編訳『シーシキン他 ノモンハンの戦い』

HMVネット購入。2022年1月19日。

書名:ノモンハンの戦い シーシキン他
編訳:田中克彦
出版:岩波現代文庫(2006年1月第1刷)

《目次》

この本を手にする読者のために

【1939年のハルハ河畔における赤軍の戦闘行動 S・N・シーシキン大佐】

序論

日本帝国主義者の計画とモンゴル人民共和国への攻撃準備

/戦闘行動地域の特徴/1939年5月の戦闘行動/1939年7月2-5日にかけてのバヤン・ツァガーン山地区における戦闘/日本側の7月作戦計画/戦闘行動/ハルハ河東岸に足がかりを得るための7月戦/ソ・モ軍の8月攻撃作戦/8月20日頃の両軍の位置/ソ・モ軍司令部作戦計画/日本軍司令部の計画/作戦の経過/8月20日から23日までの戦闘行動/8月24日から27日にかけての戦闘行動/8月28日から31日にかけての戦闘行動/作戦の総括/

結語

【ハルハ河の回想 シーモノフ】

あとがき

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November 01, 2023

坂出祥伸『道教とはなにか』

HMVネット購入。2022年6月7日注文。

書名:道教とはなにか
著者:坂出祥伸
出版:ちくま学芸文庫(2017年7月第1刷)、2005年11月中央公論新社

《目次》

はじめに

道教をめぐるQ&A

第1章 さまざまな神々を祀る宮廟

/東南アジア華人街調査の旅から/媽祖廟/関帝廟/台南の天壇/白礁・慈済宮/初期道教の神々/『真霊位業図』に見える六朝時代の神々/

第2章 仙人たちの姿と伝記

/『本朝列仙伝の仙人/『列仙伝』に見える仙人たち/羽人と仙人/神仙思想の発生と変遷/崑崙山と西王母/最も長生きした仙人彭祖/張珍奴/尸解仙/

第3章 房中術・導引・禹歩―道教に取り込まれる古代の方術(一)

/初期房中術/初期道教における房中術/「過度」(救済)儀礼としての房中術/気功の源流としての導引/呪術的な歩行法としての禹歩/

第4章 呪言―道教に取り込まれる古代の方術(二) 呪語「急急如律令」を中心に

/現代に生きる呪文/戦国末・前漢初期の呪文/後漢時代の出土資料中の「急急如律令」/後漢の霊魂観の背景にあるもの/太上老君と女青の登場/医書の中の「急急如律令」/『道蔵』のなかの「急急如律令」―初期道教の経典から/

第5章 呪符―道教に取り込まれる古代の方術(三)

/『霊幻道士』の黄色の呪符/呪符という用語、書写材料、使用法、効験/符法師と符法/『平妖伝』『封神演義』に見える符法/呪符のはじまり/初期道教の経典に見える呪符/後漢・魏晋・南朝時期の出土資料に見える呪符/近世の道教経典に見える呪符/

第6章 煉丹術の成立と展開―外丹の場合

/方士の活躍と初期煉丹術/二つの煉丹術—火法と水法/狐剛子と魏伯陽/『抱朴子』の煉丹術/陶弘景の煉丹/蘇元朗『太清石壁記』と孫思邈『太清丹経要訣』/唐代の文人士大夫と煉丹術/煉丹術の伝授—口訣・血盟・隠名/

第7章 道教と医薬

/神仙思想と本草学/「気」の医術としての「黄帝内経」医学/黄帝内経医学の身体観―部分と全体の感応/臨床系医書/内景図(体内図)/

第8章 道教の歴史

/太平道/太平道の思想/五斗米道/五斗米道信仰の拡大/主要な道流の登場/南朝天師道と陸修静の改革/北魏の新天師道/老子を崇拝する楼観派/道教の成熟—隋唐時代/唐王室と道教・老子/玄宗の道教崇拝/唐代道教の儀礼・教理/鄧紫陽と北帝派/内丹説の興起/全真教の興起と発展/宋・明の天師道など/『道蔵』の編纂事業と釈道の争い/

第9章 日本文化と道教

/八坂庚申堂/大将軍八神社/大山府君信仰と赤山禅院/吉田神社/大日本大道教道観/妙見信仰と鎮宅霊符/熱烈な道教信仰者・乗因/道教に心酔した岡倉天心/沖縄における道教呪符/ 

第10章 現代の道教と気功事情

/現代中国の道教/台湾の道教/香港、シンガポールの道教/気功の創始者、劉貴珍/気功集団「法輪功」の取り締まり/現在の気功界/

あとがき

参考文献

文庫版あとがき

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