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April 2023

April 29, 2023

山崎今朝弥『地震・憲兵・火事・巡査』

この本は1983年に大学生協で購入したようです。ブックカバーが大学生協なので。

書名:地震・憲兵・火事・巡査
著者:山崎今朝弥
編集:森長英三郎
出版:岩波文庫(1982年12月第1刷)

《目次》

凡例
編者まえがき

【Ⅰ 自伝】

*自伝
*自分の性相観
*「自分の性質を白状す」
*人智の発達に伴う法律規則解釈方の進化について
*公判廷を逃げ出した検事閣下
*この母にこの子あり朧月夜
*汽車の飛乗り
*神様と私

【Ⅱ 弁護士大安売】 *弁護士となった動機

*弁護士大安売
*借金取り退治法
*年賀状
*結婚通知書
*ツンボ哲学
*危険人物の弁解にあらず
*題なし
*廃業、万両の弁解にあらず

【Ⅲ 東京法律所を去り、平民法律所に入り、上告専門所を興し、実費特許所を始めたる理由】

*東京法律所を去り、平民法律所に入り、上告専門所を興し、実費特許所を始めたる理由
 一 去るの記 二 入るの記 三 興すの記 四 始めるの記
*上告部通信
*敢えて天下憂国の士に訴う
*平民法律所の性質
*『平民法律』並びに平民法律所広告
*上告専門所略則
*君と僕
*社告
*第三種郵便物認可申請
*急告
*謹告
*無責任広告
*法律顧問所設立趣旨
*広告勧誘文
*端書の書き方
*寄せ鍋
*{版権所有}新年の辞
*年頭の感想
*{当所旗印}民主主義と自由主義
*被告人見舞状(一)
*被告人見舞状(二)
*改心広告

【Ⅳ 平民大学圧迫事件】

*平民大学令*平民大学令註解
*広告記事の取消文
*右の記事法律講義
*官庁注文書・人民命令書
*平民大学夏期講習会規則
*大臣招待状
*三田警察掛合書
*平民大学圧迫事件
*講師招待状

【Ⅴ 尾行事件の保釈願】

*私立大日本政府
*私は既に滅亡せる大日本帝国と更に関係がない
*ホン乃木家とウソ乃木家
*牧野所長答弁書
*治安警察法第十七条
*刑法俗論
*北里博士告発状
*新米弁護士の失敗
*「馬鹿判決」の正体
*尾行事件の保釈願
*保釈嘆願書
*告訴状
*名誉回復訴状
*日比谷警察人権蹂躙訴状
*立小便事件
*エロセンコ事件の建白書
*労働主と資本者
*いわゆる男根事件の珍裁判
*平民の法律

【Ⅵ 山崎今朝弥懲戒裁判に付せらる】

*問題となるまで
*劃時代的の判決
*心機一転また再転
*忌避から判決まで
*大団円

【Ⅶ 地震・憲兵・火事・巡査】

*地震・流言・火事・暴徒
{・・・三 門前の小僧習わぬ経を読むという歌留多を読んで、孟子の母は三度その居を移したという。村の有志家は何時でも、ソンナものを学校の近所に置いては学生のためにならないといって、遊郭や兵営や、待合や芸妓屋の設置に反対する。人は到底環境の支配を免れ得ない動物である。ただでさえ気が荒(すさ)み殺気が立って困っている処へ、剣突(けんつき)鉄砲肩にしてのピカピカ軍隊に、市中を横行闊歩されたでは溜まったものでない。戒厳令と聞けば人は皆ホントの戒厳と思う、ホントの戒厳令は当然戦時を想像する、無秩序を連想する。切捨て御免を観念する。当時一人でも、戒厳令中人命の保証があるなど信じた者があったろうか。何人といえども戒厳中は、何事も止むを得ないと諦めたではないか。現に陛下の名においてという判決においてすら、無辜の幼児を殺すことも、罪となるとは思えない当時の状態であった、と説明して居るではないか。営内署中どこでも、いやしくも拘束された者の語るを聴け、彼らも、また彼らも、戒厳令を何と心得ていたかがわかる。至る処で巡査兵卒仲間同志の話す処を立聴くがよい。今でも血に餓えた彼らは憚る処なく、当時の猛烈なる武勇とその役得や貢献数の多かった事とを自慢するではないか。今になって追々行衛(ゆくえ)不明者の、身の毛もよだつ悲惨なる末路が、漸(ようや)く分明して来るではないか。実に当時の戒厳令は、真に火に油を注いだものであった。何時までも、戦々恐々たる民心を不安にし、市民をことごとく敵前勤務の心理状態に置いたのは慥(たし)かに軍隊唯一の功績であった。全く兵隊さんが、巡査、人夫、車掌、配達の役目の十分の一でも勤めてくれていたら、騒ぎも起らず秩序も乱れず、市民はどんなにか幸福であったろう。
しかるにかかわらず、かかる看(み)やすき明白の道理を無視して、輿論が頻(しき)りに戒厳令を賛美渇仰し、総ての功績を独り軍隊にのみ帰せんとするはそもそも何故であるか。
それ貧すれば鈍し、苦しい時は神を頼み、溺るる者は藁をも摑むとか。心理学者に拠れば、当時の人間は全部精神病者だったと言う。これも一説であり半面の真理であろう。けれども全部の人が心底より戒厳令万歳、軍隊万々歳を感謝したのではよもあるまい。中には長い物には巻かれ、泣く子と地頭には勝たれなかった者もすこぶる多かった。故に、間もなく正気の沙汰となり、軍閥に対し一斉射撃を開始する日も遠くはあるまい。
思い起す十八年前、桑港(サンフランシスコ)大震火の際にも、戒厳令が布かれ(この点真偽保証)軍隊も繰り出された。が、ここでは彼らはただ消防の役目と運搬の任務とを忠実に果しただけで、秩序の維持はポリスメンに、徴発配給はコンミッティーに任せたせいか、そこにはもちろん自警団も奮起せず、朝鮮人も虐殺されなかった。もっとも頭から人種も異なり武士道も違っていたからだかもしれないが。}
*高尾君の思い出
*外二名及び大杉君の思い出
*平沢計七君を憶いて
*この子この親
*朝鮮問題の問答集
*選外壱等

編注
解説

(参考:平出修『逆徒』

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April 23, 2023

田中克彦『チョムスキー』

アマゾンで中古本を買いました。2023年1月24日注文。
言語学に興味のある人には必読書ですね。岩波文庫にチョムスキーの著作を入れたのに、この本が品切れ状態とはいただけません。

書名:チョムスキー
著者:田中克彦
出版:岩波現代文庫(2000年12月第1刷)

《目次》

序論—思想としての言語理論

第一章 革命の対象

/ことばとその理論/言語学の不安/ソシュール/チョムスキー以前のアメリカ言語学/言語学の特異な地位/

第二章 革命の装置

/深層構造/コーパス/ポール・ロワヤルの文法理論/深層構造の普遍性/生得的能力—種的器官/変形について/チョムスキーに先行するコグニティヴィズム/チョムスキーに先行する変形/

第三章 革命の教条

/教条を拒否した近代言語学/合成写真「デカルト流」/
{・・・チョムスキーは、言語に関する思想であれ人間に関する思想であれ、それらが、特定の歴史的な状況のもとで、特定の社会のなかから生れることをほとんど理解していないし、しようともしない。一般に、歴史的な文脈ぬきの、単にモデルとしての思想の援用が、チョムスキーの方法におけるいちじるしい特徴である。・・・}
{・・・特徴は、思い切って単純化すると、次の三点にまとめられるであろう。
 (1)言語は人間という「種に固有な能力」(species-specific capacity)であって、人間はそれを経験によって学ぶのではなく、もともと身につけて生まれてくるのである。それは動物の器官のように刺戟に限定されないから他動的、受身的ではなく、創造的な能力である。
 (2)言語は思考、論理と直接対応するものであって、この思考、論理は、人間という動物種に共有されている。だから言語の基底には、普遍的に妥当する論理に対応する、一般文法というものが存在する。その一般文法のために、深層構造という概念を設ける理由がある。
 (3)文法は何を書かねばならないか、それは、個々の言語、すなわち言語の表層を単に記述するにとどまってはならず—そんなことをしていてはきりがないから—精神との対応関係を書かねばならない。
このうちの(1)、(2)は理念にかかわるものであるのに対し、その理念の実践面への適用は(3)のかたちをとる。・・・}
{・・・近代言語学すなわち、チョムスキー的に言えば、「一般」というアプリオリズムから出発しない、経験主義的な言語学は、言語と言語との間に無前提の媒介項を置くことを自らに許してはいない。そこでは”永遠の”文法なるものは形容矛盾である。なぜなら、文法は特定の共時態の中においてしか妥当しないはずのものだからである。つまり、文法は実在する特定の言語の中にのみあるのだから、実在の言語に先立ってすでにあるようなものは文法ではない。文法が言語を作るのではなくて、言語が文法を作るのだからである。言語に先行し、言語を超えた、そのような文法は、言語学では文法とは呼ばれないことにしている。それが、ボーゼによって、さらにチョムスキーによってくり返されている一般文法である。実在において形をもたない文法は深層構造といううつわを作ってそこに入れられる。”入れてある”のだから、深層構造には一般文法が”入っている”のである。・・・}
/フランス語/ヴォージュラ/規範主義への道/フンボルト/ヴァイスゲルバーの展開/
{・・・泉井氏はフンボルトについての著作もある老練な理論家である。この人にしてなお、やっぱりフンボルトからの「借用にかかる設計図」にすっかり眩惑されて、まずはチョムスキーの賛美者となり、次にはロビンスンに説得されて評価をかえたのだと思われる。私の見るところでは、泉井氏は、チョムスキーの借用は、フンボルトの原図とは根本のところでchがっていることにただちに気づいたはずである。ところが、それがすぐさま見破られなかったのはチョムスキーによる、このような「証人」立てが、それなりに大きな効果を発揮したからであろう。・・・}

第四章 革命の成果

/なんのための革命/規範主義/論理主義/相対主義の破壊/変形操作は、いかに形式と形式との間を媒介し、異なるものが実は同じで、同じものがじつは異なるかを見せることができるようになったか/
{・・・たとえば、「敗戦」のかわりに「終戦」と言いかえることによっていかなる成功がおさめられたか、あぶり出し文にしてみると、
 敗戦=日本は戦争に敗けた。
 終戦=戦争は終った。
「敗戦」のばあいにはかならず戦争にかかわった当事者が主語あるいは主語の位置に明示されなければならないのに、「終戦」は、敗けたことを示さないですむだけでない(これはジビキによる文字面の解釈として従来言われてきたことだ)、主語の位置を戦争でふさぐことによって、戦争の当事者を登場させないですますことのできる形式である。
具体的な言語表現というものは、あるできごとが成立するための論理的な諸要件のうちのあるものを、変形によって消し去り、かくすことができる。深層構造を意識した変形操作は、手足を切り落されて、まくれ込み、ちぢみあがってしまったこの小さな漢語の正体を引き延ばし、かくれているものをあぶり出しにしてくれるのである。変形主義者は、決して日本の教科書検査官のごまかしを見つけ出すためにこのような方法を考えついたのではないだろうけれども、こうした使い方にはすこぶる有効な一面がある。
表現された文のなかに、行為の主体、利益や被害の受け手など、ことばを使う人間にとっての重要な項目を目立たせるのはまずいので、それを何とかひっこめるための工夫は、政府や役所の文書、政治家の発言などにしばしば見られる。その際の主役は受動化と名詞化である。
 デモは鎮圧された。
この文には鎮圧の下手人、受け手という、できごとの最も重要な当事者のいずれもが姿をあらわさないですんでいる。}
/深層構造の多層性/

第五章 チョムスキー革命とは何であったか

/社会的言語から生物種的言語へ/言語共同体/社会言語学の挑戦/文脈ぬきのサンプル/ソビエト言語学のたちば/チョムスキーの思想/
{・・・チョムスキーの、言語理論における革命性は、多年にわたる実証的な研究の蓄積を歯牙にもかけず、古めかしい、いまだ言語学が生れる以前の、人類が諸民族の歴史と文化をまだ十分に学ぶことのなかった時代の、アプリオリな思弁をひっさげて登場したところにある。このような、人間精神と言語への普遍主義的な志向は、他方で、エスペラント語を考えついたユダヤ人ザメンホフにおいても認められる。ザメンホフは、現実にあるさまざまな言語から、単一の普遍言語を作り上げ、それをあくまで現実の社会的利用の中で、生きた言語にしようとした。チョムスキーはそれを現実ではなく、ひたすら観念の中で、学問の名において現実にしようとしたのである。・・・}

文献目録
年譜
あとがき

七年の後に—同時代ライブラリー版へのあとがき

解説 言語の普遍性をめぐって (西垣通)

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April 20, 2023

『今昔物語集 本朝部 中』

HMVネット購入。2021年6月22日注文。

書名:今昔物語集 本朝部 中
編者:池上洵一
出版:岩波文庫(2001年7月第1刷)

《目次》

凡例

巻第十九 本朝 付 仏法

頭の少将吉峰宗貞出家せる語 第一

参河守大江定基出家せる語 第二

内記慶滋の保胤出家せる語 第三

摂津守源満仲出家せる語 第四

六宮の姫君の夫出家せる語 第五

鴨の雌、雄の死せる所に来たるを見て、出家せる人の語 第六

丹後守保昌朝臣の郎等、母の鹿と成りたるを射て出家せる語 第七

西の京に鷹を仕ふ者、夢を見て出家せる語 第八

小児に依りて、硯を破りし侍出家せる語 第九

信濃の国の王藤観音出家せる語 第十一

鎮西の武蔵寺に於て翁出家せる語 第十二

讃岐の国の多度の郡の五位、法を聞きて即ち出家せる語 第十四

三条の大皇大后の宮、出家せる語 第十八

東大寺の僧、山に於て死にたる僧に値へる語 第十九

大安寺の別当の娘の許に蔵人の通へる語 第二十

師に代りて太山府君の祭りの都状に入りし僧の語 第二十四

下野の公助、父敦行の為に打たれて逃げざりし語 第二十六

河辺に住む僧、洪水に値ひて子を棄て母を助けたる語 第二十七

亀、山陰中納言に恩を報ぜる語 第二十九

亀、佰済の弘済に恩を報ぜる語 第三十

髑髏、高麗の僧道登に恩を報ぜる語 第三十一

陸奥の国の神、守平維叙に恩を報ぜる語 第三十二

達智門の棄子に狗、蜜に来りて乳を飲ましめたる語 第四十四

巻第二十 本朝 付 仏法

天竺の天狗、海の水の音を聞きて此の朝に渡れる語 第一

震旦の天狗智羅永寿、此の朝に渡れる語 第二

天狗、仏と現じて木末に坐せる語 第三

仏眼寺の仁照阿闍梨の房に天狗の託きたる女来たれる語 第六

染殿の后、天宮の為に嬈乱せられたる語 第七

天狗を祭る法師、男に此の術を習はしめむとしたる語 第九

陽成院の御代に滝口、金の使に行きたる語 第十

竜王、天狗の為に取られたる語 第十一

伊吹の山の三修禅師、天宮の迎へを得たる語 第十二

愛宕護の山の聖人、野猪に謀られたる語 第十三

讃岐の国の女冥途に行きて、其の魂還りて他の身に付きたる語 第十八

出雲寺の別当浄覚、父の成りし鯰の肉を食ひて現報を得て忽ち死にたる語 第三十四

河内守、慳貪に依りて現報を感ぜる語 第三十六

下毛野敦行、我が門従り死人を出だせる語 第四十四

巻第二十二 本朝

大織冠、始めて藤原の姓を賜はれる語 第一

高藤の内大臣の語 第七

時平の大臣、国経の大納言の妻を取れる語 第八

巻第二十三 本朝

左衛門尉平致経、明尊僧正を送りたる語 第十四

陸奥の前司橘則光、人を切り殺せる語 第十五

駿河の前司橘季通、構へて逃げたる語 第十六

比叡の山の実因僧都の強力の語 第十九

広沢の寛朝僧正の強力の語 第二十

大学の衆、相撲人成村を試みたる語 第二十一

相撲人海恒世、蛇に会ひて力を試みたる語 第二十二

相撲人私市宗平、鰐を投げ上げたる語 第二十三

相撲人大井光遠が妹の強力の語 第二十四

巻第二十四 本朝付世俗

百済川成と飛弾の工と挑みたる語 第五

碁擲の寛蓮、碁擲の女に値ひたる語 第六

女、医師の家に行きて瘡を治して逃げたる語 第八

蛇に嫁ぎし女を医師治せる語 第九

慈岳川人、地の神に追はれたる語 第十三

天文博士弓削是雄、夢を占へる語 第十四

安倍晴明、忠行に随ひて道を習へる語 第十六

陰陽の術を以て人を殺せる語 第十八

人の妻悪霊と成りしを其の害を除きたる陰陽師の語 第二十

僧登照、朱雀門の倒るるを相せる語 第二十一

俊平入道の弟、算の術を習へる語 第二十二

源博雅の朝臣、会坂の盲の許に行きたる語 第二十三

玄象といふ琵琶、鬼の為に取られたる語 第二十四

村上天皇と、菅原文時と詩を作り給へる語 第二十六

藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜられたる語 第三十

延喜の御屏風に伊勢の御息所、和歌を読める語 第三十一

敦忠の中納言、南殿の桜を和歌に読める語 第三十二

公任の大納言、屏風和歌を読める語 第三十三

筑前守源道済の侍の妻、最後に和歌を読みて死にたる語 第五十

播磨の国の郡司の家の女、和歌を読める語 第五十六

巻第二十五 本朝付世俗

平将門、謀反を発し誅せられたる語 第一

藤原純友、海賊に依りて誅せられたる語 第二

源充と平良文と合戦せる語 第三

平惟茂が郎等、殺されたる語 第四

平惟茂、藤原諸任を罰ちたる語 第五

藤原保昌の朝臣、盗人の袴垂に値へる語 第七

源頼信の朝臣、平忠恒を責めたる語 第九

藤原親孝、盗人の為に質に捕へられ頼信の言に依りて免したる語 第十一

源頼信の朝臣の男頼義、馬盗人を射殺したる語 第十二

源頼義の朝臣、安陪貞任等を罰ちたる語 第十三

 

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April 19, 2023

飯島虚心『葛飾北斎伝』

HMVネット購入。2021年7月19日注文。

校注者鈴木重三氏の関心は北斎よりも著者飯島虚心とこの本の成り立ちに考証学的な関心が強いようで、その分、たいへん読みにくい本になっている。北斎に関する基本文献らしいからざっと目を通しておくべきではあるがそれ以上とは思われない。

書名:葛飾北斎伝
著者:飯島虚心
校注:鈴木重三
出版:岩波文庫(1999年8月第1刷)、原著は1893年

《目次》

凡例

【巻 上】

葛飾北斎伝叙(重野安繹)

{画工北斎は畸人なり。年九十にして居を移すこと九十三所。酒を飲まず、煙茶を喫せず。其の技大いに(う)るるも赤貧洗ふが如く、殆ど活を為す能はず。・・・}

葛飾北斎伝凡例

葛飾北斎伝 巻上

【巻 下】

葛飾北斎伝 巻下

{北斎翁、性画を嗜むこと、飲食よりも甚し。・・・}

{・・・阿栄笑て曰く、我が父幼年より八十有余に至るまで、日々筆を採らざることなし。然るに過ぐる日、猶自ら腕をくみて、余は実に猫一疋も描くこと能はずとて、落涙し、自ら其の画の意の如くならざるを嘆息せり。すべて画のみにあらず、己れ及ばずとて、自ら棄てんとする時は、即これ其の道の上達する時なりと。翁傍らにありて、実に然り、実に然るなりといへり。・・・}

附言

正誤

--------------------------------

補注

解説

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April 16, 2023

「千年女優」

レンタルDVD鑑賞記。


タイトル:千年女優(2001年)

監督:今敏
演出:松尾衡
企画:丸山正雄
プロデューサー:真木太郎
原案:今敏
脚本:今敏、村井さだゆき
キャラクターデザイン:本田雄
作画監督:本田雄、井上俊之、濱洲英喜、小西賢一、古屋勝悟
美術監督:池信孝
音楽:平沢進
声の出演:折笠富美子(藤原千代子(少女期))、小山茉美(藤原千代子(中年期))、荘司美代子(藤原千代子(老年期))、飯塚昭三(立花源也)、佐藤政道(立花源也(青年期))、小野坂昌也(井田恭二)、津田匠子(島尾詠子)、鈴置洋孝(大滝諄一)


ストーリーは陳腐な追憶の恋愛ものだが、アニメならではの斬新な表現がおもしろい。

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April 15, 2023

「愛を語れば変態ですか」

レンタルDVD鑑賞記。


タイトル:愛を語れば変態ですか(2015年)

監督・脚本:福原充則
出演:
黒川芽以(あさこ)、野間口徹、今野浩喜、栩原楽人、川合正悟、永島敏行


シチュエーションコメディって言うんですかね。これ以前にも類似作品があったと思いますよ。「キサラギ」とか「大洗にも星はふるなり」とか、大枠で目新しさはないですが、それなりに面白味はありました。

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April 14, 2023

小熊英二『市民と武装』

HMVネット購入。2023年2月7日注文。

書名:市民と武装 アメリカ合衆国における戦争と銃規制
著者:小熊英二
出版:慶應義塾大学出版会(2004年7月第1刷)

《目次》

【市民と武装――アメリカ合衆国における「武装権」試論】
Ⅰ 憲法修正第二条とその思想
Ⅱ 無制限戦の開放
Ⅲ 「市民」以外の者たち
Ⅳ 「自由の象徴」と「時代錯誤
{南北戦争の過程で、アメリカの軍隊は、指揮官選挙制度の消滅だけでなく、市民の自由意志による志願制の民兵隊から、強制的な徴兵制による常備軍への転換を行なっていった。それは、反軍・反政府・反権力の思想を根拠とした。武装民兵の理念の終わりでもあった。以後のアメリカ軍は、市民による自由の軍隊という記憶の残像を、軍の正当化のために維持しつつ、20世紀の世界大戦の時代の主役をつとめてゆくことになる。
 武装権という発想は、自己および地域社会の生命や財産を守る市民の権利を国家に譲り渡さないという思想から発しており、同時に国家への異議申し立て能力を確保するという側面をも持っている。そこでは市民は、政府が圧政に転じたならば、いつでも自己の武器を持ってそれから身を守り、闘い、倒す自由を留保している。
アメリカの軍隊が、徴兵による巨大で破壊的な官僚組織に変質してしまった20世紀においてもなお、こうした意識は残り続けた。・・・}
{・・・16世紀ヨーロッパにおいて、支配者がどれほど銃を忌み嫌い制限しようとしたかという背景抜きには、近代思想家たちがなぜ武装権を市民の自由のメルクマールとして重視したかは理解しにくい。・・・}
{・・・もちろん現代においては、市民が武装していたからといって、それで18世紀におけるように政府を倒すことができるわけではない。福田歓一によれば、市民が自弁武器による蜂起で権力と戦うという思想は、南北戦争の五年後に発生したパリ・コミューンの敗北とともに終わりを告げたという。コミューン側の蜂起以前から進められていたオスマンの都市整備計画による道路拡張はバリケード戦術を無効にし、19世紀後期から急速に進んでいた兵器の革新は、市民の手の届かない最新大型兵器を戦闘の主役にしつつあった。これ以後、武力による革命は、国家の軍隊の少なくとも一部を味方につけることを前提にしない限り、先進国ではほとんど不可能になっていったのである。
 ・・・
個人の自由の臨界点を測る一つの基準は、その自由の行使により、社会にどれだけのリスクを吹かさせるかのバランスである。一人の武装により数十人、数百人の人間を容易に殺せる技術が現れた時点で、市民に無限の自由を認め、それを規制する権力を設けないユートピアは、もはや夢想でしかなくなった。材料さえ手に入れば十代の少年でさえ核兵器を造れる時代に、無制限の個人武装を容認するユートピアとは、悪夢でしかないだろう。・・・}
 補論  現代アメリカの銃規制状況
  近代日本における「武装権」思想

【普遍という名のナショナリズム――アメリカ合衆国の文化多元主義と国家統合】
序 問題意識の所在
Ⅰ アメリカナイゼーション運動と同化主義の思想
Ⅱ 文化多元主義
Ⅲ 「国際的責任
Ⅳ 普遍的ナショナリズム
 補論
  ネオコンについて

あとがき

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April 07, 2023

鈴木智彦『ヤクザと原発』

HMVネット購入。2022年4月17日注文。
書きなぐりな感じの文章。ほとんど推敲のあとが見られない。内容も稀薄。原発というよりもヤクザさんの話題が豊富。


書名:ヤクザと原発 福島第一潜入記
著者:鈴木智彦
出版:文春文庫(2014年6月第1刷)、単行本は2011年11月


《目次》


序章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」


/原発は儲かる/田舎の人間は権威に弱い/補償問題の代理人/任侠系右翼は国家の味方/ポン中で出入り禁止/人夫出しの親分/指が欠けていても/炭鉱暴力団の系譜/墓の移転でがっつり/警察の思惑/暴排条例と大震災/


第1章 私はなぜ原発作業員となったのか


/ヤクザと一緒に被災地支援/日当50万円と豪語/就職先が決定/マスコミの謝罪映像/1F正門に突撃/36万円のサーベイメーター購入/放医研で線量を測定/福島コーリング/


第2章 放射能vs.暴力団専門ライター


/10万円で造血幹細胞を採取/百パーセント被曝する仕事/谷口プロジェクト/どっちが正しいのか?/作業ができない体/作業員死亡事故は人災/『憚りながら支援者後援』/週刊誌の仁義なき戦い/原発と注射/白バイ隊員に逆ギレ/歴代総理と同じ病室/NHK取材班の前で爆睡/「原発で死んだら保険金は?」/宗教は作業員を救えるか/


第3章 フクシマ50が明かす「3・11」の死闘


/暴力団のフロント企業/1F行きを告げる電話/除染する美少女/茶髪のフクシマ50/死んでもいい人間を用意/放射能を吐くゴジラ/佐藤の告白/ドキュメント3・11/二度の水素爆発に「日本が終わる」/20人の決死隊/作業員は情報弱者/任侠社長/ヤクザ発原発経由リビア行き/


第4章 ついに潜入! 1Fという修羅場


/タウリンをくれた暴力団幹部/自分専用の線量計/電離健康診断/フクシマ50にも暴力団/餞別は拒絶/放射能教育/チャラい東電講師/85点で合格/初勤務で寝坊/めんどいマスク/目立てない作業員/飼い主を失ったペット/シェルターに到着/地獄への入り口/のっぽのサリー/初仕事は床掃除/


第5章 原発家業の懲りない面々


/「死ぬ、死ぬ、マジで死ぬ」/作業員のヒエラルキー/外国人技師への不満/敷地内の喫煙/刺青を彫った作業員/任侠界から来た男/ソープ街は原発バブル/東電は神様/セシウムスイカとダチョウ狩り/汚染水で被曝/百機タンク/ラドン効果で肩こりが……/正体がばれる/


終章 「ヤクザと原発」の落とし前


/規模のでかいみかじめ料/Jヴィレッジは土産/味噌もくそも一緒/野球賭博はサービス/ヤクザ保護区/線量より汚染度/実際の汚染度は10倍/除染しない車両/あり得ない数値/絶望的観測/福島第二も水素爆発?/

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April 03, 2023

穂積陳重『復讐と法律』

これはブックカバーから推察するに1982-83年頃に名大生協で購入したようです。


書名:復讐と法律
著者:穂積陳重
出版:岩波文庫(1982年4月)、原著は1931年


《目次》


序(穂積重遠)


『法の起源に関する私力公権化の作用』


第一章 緒論


第二章 復讐の基礎観念


第三章 復讐の沿革


第四章 結論


『復讐と法律』


第一章 緒論


第二章 復讐の本質


第三章 復讐の沿革


第一節 第一期、復讐義務時代


第一款 復讐義務者


第二節 第二期、復讐制限時代


第一款 復讐義務者の範囲


第二款 復讐義務者の順位


第三款 復讐避難場


第四款 復讐調停機関


第五款 復讐届出


第六款 復讐許可


第七款 賠償


『差押は民事法の起原なり』


附録『刑法進化の話』


注(杉山晴康)
解説(杉山晴康)
索引

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